白い杖

中学の頃から電車通学してた。

 同じ場所から、いつも乗車すると周囲の人々が、ほぼ決まってくるのだが誰にでも多かれ少なかれある生活パターンであるが、それをきっかけに恋愛に発展する人々もいるはずだ。

 白い杖を持ちつつ乗車してくる盲学校女生徒がいた。

 最近、知ったのだが「白杖使用者=完全失明=短絡思考」で「白杖使用者≒完全失明」の場合も多々あり白杖を持ってる人々の中には車の免許をとる人々もいるそうだが、普通車だけで大型車、けん引車等はとれないかもしれないそうだ。

 さて、その女生徒だが、どうやら完全失明者とは違うようだった。

 見つめられてたのだ。

 でも当時、中学生だったので、その目線が怖かったのは確かだ。おまけに昭和末期である。今日よりも障害者に対する風当たりは悪かった時代だったし、おまけに自信がなかった・・・・

 顔は、かわいい顔してて、おまけに静かな印象を発してた。

 声をかけられたような記憶がかすかにある・・・・・

 帰路でも、その女性を見たことがある。

 電車から人が多数、降りて来て、その女性は降りてきた人々と肩があたりそうになったのだが、その隣にいた女子高生が、急いで手を引き降りてきた人に、ぶつからないように引き寄せてたのを見て「世の中には親切な人がいるんだなぁ~」と感動したのを鮮明に覚えてる。

 見つめられた・・・・・今にして思えば、もう少し自信があれば、その盲学校女生徒と楽しい恋愛を楽しめて一生の、すばらしい思い出になったのだ。