昔のこと

匿名性が高いインターネット上だから書けるのだが十代の頃は美少年だった。

 学校全体のみならず他校でも評判の美少年だった。

 渋さを感じさせる、かなりの美少年であった。

 
 女性は多く(すべて?)の男は美形女性に好感を持つと勘違いしてるが、それはほんとうに勘違いであり、むしろブスのほうがもてるのだ。つまり女性の場合はどうしても生む立場で生まれてくる子供にも高い確立で遺伝の関係で夫側の容姿が影響を与えるので、無意識且つ本能的に美形の男を好むことに起因するのだ。

 十代前半から電車通学してた。

 いつも同じ場所から乗車する人々は、ほぼ決まってくるとわかり、それが誰しも多かれ少なかれある、生活パターンである。

 ちなみに若い人で異性との出会いを求めてる人々が、いらっしゃったら、この方法、つまり同じ場所から乗車するといい。私のようなオジサンでない限り異性との出会いがある筈だ。

 さて、そのオジサンにも若い頃があり、同じ場所から乗車する人々の内のひとりに白い杖を持ってる女性がいて、制服を着てたので、いわゆる盲学校の生徒だったようだが、あの頃、つまり今年から36年前(!)だったので障害者に対する考えなんて、いわゆる差別語を言うのは、もちろんのこと書くのも半ば(完全?)あたりまえの時代だった。

 白い杖を持ちつつ歩行してる人々が普通車免許取得可能と知ったのは、つい先日のことだ。

 ましてや白い杖を持ってる人々が少しでも見ることができるとは、その頃は思いもしなかった。

 その女生徒も、いつも同じ場所から乗車してて、ある日から、なぜか視線を感じることが多くなったが、何しろ十代前半で今から36年前であるから、見られてるとは、まったく思わなかったが、今にして思えば、それは彼女の愛情表現だったのだ。

 健常者少年と視覚障害少女の恋愛・・・・・・

 今にして思えば、かなりの感動をあたえるはずだ。

 だが幼く、自信が持てなかったので、その彼女の愛情表現を完全に無視してしまった。

 
 あの頃、もっと自信があれば人生を大きく変える大きな前進になったのだ。

 顔はかわいい顔をしてた、いつも下を向きつつ歩いてたが、たぶん視野狭窄だったのかもしれない。つまり視野が狭く、いわゆる横目が見えない生涯だったのかもしれないのだ。

 見つめられてる時は、ほんとうに「ビシッ!」とした視線、顔の位置だったが、何しろ36年も前で十代前半だ。

 怖くなったのも確かだが、その怖さの原因は自分自身にあったからこそ今でも彼女の愛情を受け止めておけばよかったと後悔ばかりしてるし、おとなしそうで、やさしそうな女の子であったし、おまけに家庭的な印象は今でも覚えてる。

 きっと今頃、すばらしい人妻になってるのだ。