ある先輩

寒い時期。

 半月いつもの日課であるウォーキングをサボってた。
 
 両手を大きく振りつつ早足で約30分ウォーキングするのが日課だったが半月もやらないでいると、たちまちサボり癖になるので今いるネットカフェから出たら必ずやる。

 さて、そのウォーキングする通路だが十代の頃の先輩甲さんが働いてる場所の前を通る。

 その先輩と亡父が同じ仕事らしく、その十代の頃に「甲って知ってるか?」と尋ねられたが、その時は知らなかったが後日、なぜだが理由は忘れたが、その甲先輩の存在を知ったが在学中は二分の一回しか会話しなかった。つまり何か話しかけられた記憶はあるが、どのような内容だったが思い出せなくて、おまけに一言二言だった。

 たぶん「はい」又は「いいえ」だったのような気がする。

 ただ数年同じ場所で過ごしたので何度も見た。

 亡父は人間的には最低のテーだった。

 しかし勉強は凄かった。
 
 頭はよかった。

 何しろ昭和10年代生まれでありながら高校教育はもちろんのこと大卒までしてる。その世代なら義務教育終了直後に集団就職で働き始める人々が今日よりも多数だった時代にもかかわらずである。

 よって、かなり高度な技術をもってて、その関係、つまり甲先輩の父親もまた同じく高度な技術を持ってる仕事をやってたのが、わかり、芋づる式に家までわかってしまったが、その家の近くに小学生の頃、塾の冬期講習を受け、その頃は、その甲先輩の家の近くだとは、まったく思いもしなくて、あのあたりで冬期講習を受けたと思い出す程度だった。

 卒業してから一度、見た。

 でも在学中は1/2回しか会話をしなかったので無視した。

 匿名性が高いインターネット上だから書けるのだが、あの先輩、俺に惚れてた。

 
 在学してる頃、体育の授業直後に汗をかいたので水飲み場で足を洗ってると必ず甲先輩が来た。でも、その水飲み場で足を洗うのはカッコ悪いし、おまけに他のクラスの人に止めるよう助言された。

 

 数年前に、その甲先輩の自営業の看板が真っ白になってるので見知らぬオバサン尋ねたら、その、すぐ近くの同業と、つながりがあると教えてくれたので、後日、それを検索したら、その甲先輩のお顔があった。昔と、まったく変らずきれいな、お顔でおついた雰囲気を強烈に発してた。

 御結婚されてて旦那さんと共に幸せな日々を過ごしてらっしゃるようだ。

 だが、あの頃、十代の頃、もう少し自信を持ってれば、その御主人に私が映ってたのかもしれない。